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コードバン財布の寿命は何年?先に傷むのは革ではなく3か所

※当ページは広告を含みます

会計のとき、財布の角が目に入りました。縁の部分が、うっすら白く毛羽立っている。革の面はまだ艶があります。それなのに、角だけが先に疲れて見える。

ここに、寿命の話のいちばん大事なところが表れています。

コードバン財布で先に傷むのは、革そのものではありません。革以外の3か所なんです。

目次

先に答え|10年以上は使えます

手入れをしながら使えば、10年から15年は現役でいられます。20年使っている方もいます。

コードバンは、馬の臀部にあるごく薄い層だけを取り出した革です。繊維が細かく詰まっているため、牛革より丈夫で伸びにくいという性質があります。

ですので、革の面が先に破れることは、まずありません。では何が先に来るのか。ここから具体的に見ていきます。

寿命を決めるのは、この3か所

場所何が起きるかだいたいの時期
コバ(縁の断面)塗った層がはがれ、毛羽立つ3〜5年
折り目革が薄くなり、ひびが入る5〜8年
ステッチ(縫い糸)擦れて切れる5〜10年

3つとも、革の質とは別のところです。だから高い財布を買っても、ここは避けられません。

1. コバ|いちばん早く出る

コバは、革を切った断面を磨いて仕上げた部分です。ここには塗料や樹脂が塗られています。ポケットに出し入れするたび、この縁が擦れます。塗った層は革ほど強くありませんので、先にはがれます。

はがれると、中の革の断面が出てきます。これが白く毛羽立って見える正体です。

ただし、これは壊れたわけではありません。見た目の問題であり、使うぶんには支障がありません。専門店で塗り直しもできます。

2. 折り目|二つ折りの弱点

二つ折り財布は、毎日同じ場所で折られます。1日に何度も、同じ線で曲がります。コードバンは繊維が詰まっているぶん、曲げに対しては硬い革です。折り目には、じわじわと負担がたまります。

5年を過ぎるころ、折り目の艶が周りと違って見えてきます。さらに使うと、細かいひびが出ることがあります。

長財布に折り目の問題はありません。寿命だけで選ぶなら、長財布のほうが有利です。

3. ステッチ|切れても直せる

縫い糸は、革より先に擦り切れます。特に小銭入れの口や、角の部分です。ただ、糸は縫い直せます。3か所の中では、いちばん復旧しやすい部分です。

1本切れた程度なら急ぎませんが、放っておくと隣の糸が次々にほどけます。気づいた時点で修理に出すのが安上がりです。

年数ごとに、何が起きるか

年数革の表情気になり始めるところ
〜1年硬さが取れ、手になじむ特になし
2〜3年艶が深くなる。小傷が沈むコバの角が少し白く
4〜6年色に深みが出るコバのはがれ・折り目の変化
7〜10年個体差がはっきり出るステッチのほつれ・内装のくたびれ
10年〜他にない表情になる修理と付き合う段階

面白いのは、革そのものは年数とともに良くなっていくという点です。悪くなるのは、革以外の部分ばかりです。

ここが、合成皮革との決定的な違いです。合成皮革は3年ほどで表面がはがれ、そこから元には戻りません。

寿命を縮める4つの習慣

逆に、これをやると10年もちません。

習慣何が起きるか
尻ポケットに入れる座るたびに圧がかかり、折り目が潰れる。汗も吸う
詰め込みすぎる革が引っ張られ、縫い目に負担がかかる
濡れたまま放置する革が硬くなり、ひび割れの元になる
クリームを塗りすぎるべたついてほこりを呼ぶ。艶が濁る

いちばん影響が大きいのは、1つ目です。

体重がそのまま財布にかかります。1日に何度も座るわけですから、折り目にとっては最悪の条件です。夏場は汗も加わります。

入れる場所を上着の内ポケットに変えるだけで、寿命は数年変わります。お金のかからない対策としては、これが一番です。

クリームは月に一度も要りません

4つ目について補足します。手入れは大事ですが、やりすぎは逆効果です。

コードバンは繊維が詰まっていて、クリームをあまり吸いません。塗った分が表面に残り、べたつきます。

普段は乾いた布で拭くだけ。クリームは2〜3か月に一度、米粒ほどで十分です。

修理で、どこまで延ばせるか

状態直せるか
ステッチが切れた◎ 縫い直せる
コバがはがれた◎ 塗り直せる
内装(小銭入れ)が破れた○ 交換できる場合がある
ファスナーが壊れた○ 交換できる場合がある
折り目にひびが入った△ 元には戻らない
革の面が裂けた× 事実上むずかしい

上から4つは直せます。寿命を決めているのは、下の2つだけということになります。

そして下の2つは、使い方でかなり防げます。尻ポケットをやめ、濡れたら乾かす。この2つを守っていれば、そこまで到達するのに10年以上かかります。

どこへ修理に出すか

買ったブランドが修理を受け付けているかを、まず確認してください。自社製品なら、部材も縫い方も分かっています。

受け付けていない場合は、革製品の修理を扱う専門店へ。持ち込む前に、写真を送って見積もりを取れる店が多くあります。

買うときに修理の窓口があるかどうかを見ておくと、10年後に効いてきます。

仕上げの違いで、寿命は変わるか

コードバンにはいくつかの仕上げがあります。寿命への影響も、少しずつ違います。

仕上げ丈夫さ気をつけるところ
水染めコードバン標準水の跡が出やすい。ただし使ううちになじむ
シェルコードバン高い油分が多く、乾きにくい。厚みもある
顔料仕上げ表面は強い色の層が剥がれると、そこは戻らない

意外に思われるかもしれませんが、表面に色の層を置いた顔料仕上げのほうが、長い目では不利になることがあります。

水や傷には強いのですが、層が剥がれた箇所は磨いても戻りません。染料で染めたものは、傷が付いても周りとなじんでいきます。

10年使う前提であれば、直せる仕上げかどうかという見方をしてみてください。

内装のほうが、先に寿命を迎えます

最後に、いちばん見落とされる部分の話をします。

財布の外側がコードバンでも、内側は別の革や布であることがほとんどです。牛のヌメ革、あるいは薄い合成素材が使われます。

そして、手に触れる回数は内側のほうが多いのです。札を出す、カードを抜く、小銭をつまむ。すべて内側で起きています。

買う前に、内装を見てください

店頭やサイトで確認したいのは、次の3点です。

  • 内装に何が使われているか(本革か、合成素材か)
  • カードポケットの口が補強されているか(ここが最初に伸びます)
  • 小銭入れの底の縫い方(重みが集まる場所です)

外側のコードバンばかり見て買うと、3年目に内側から先にくたびれます。値段の差は、たいてい内装に出ています。

買い替えどきのサイン3つ

  1. 折り目に、指で触って分かるひびがある
  2. 札やカードが落ちる(縫い目が開いている)
  3. 修理代が、新しく買う金額の半分を超える

3つ目は、割り切りの話です。

思い入れのあるものなら、金額に関係なく直す価値があります。ただ、日常的に使う道具として見るなら、どこかで線を引くことになります。

私はコードバンの財布を3年使っていますが、いまのところ気になるのはコバの角だけです。この調子なら、あと7年は問題なさそうです。

「一生もの」と呼べるのか

正直に書きます。手入れも修理もせず、放っておいて一生使えるものではありません。

一生ものというのは、素材が勝手にもつという意味ではなく、直しながら使い続けられる作りかどうかという意味だと思います。

その意味では、コードバンの財布は一生ものに入ります。革が10年で駄目にならず、傷むところは直せるからです。

逆に言えば、直す気がないなら、この革を選ぶ意味は半分になります。買う前に、そこだけ自分に確かめてみてください。

10年使う前提で選ぶなら、素材の作り手が手がけたものを見ておくと納得しやすいところです。

コードバンの仕上げ元が自ら作る財布は、【UNIQUEON-ユニコーン-】の公式サイトで見られます。

よくある質問

二つ折りと長財布、どちらが長もちしますか

長財布です。折り目という弱点がないためです。ただし持ち歩きやすさは二つ折りが上ですので、寿命だけで決める話でもありません。

使わずにしまっておけばもちますか

逆です。革は使われることで手の脂を得て、しなやかさを保ちます。長くしまうと乾いて硬くなり、カビの心配も出ます。使うほうがもちます。

2つを交代で使うのはどうですか

1本あたりの負担は減ります。ただし、しまっているあいだ乾かないよう、たまに手に取ってください。効果としては、尻ポケットをやめるほうが大きいです。

内装が先に傷むと聞きました

そのとおりです。内装は牛のヌメ革や布が使われることが多く、外側のコードバンより先にくたびれます。ここは交換できる場合がありますので、諦める前に相談してみてください。

まとめ

  1. 手入れをしながら使えば10〜15年。革の面が先に破れることはほぼない
  2. 先に来るのはコバ・折り目・ステッチの3か所
  3. そのうちコバとステッチは直せる。折り目のひびだけは戻らない
  4. 寿命をいちばん縮めるのは尻ポケット。入れる場所を変えるだけで数年違う
  5. クリームは2〜3か月に一度、米粒ほどで十分

そして買うときは、外側のコードバンだけでなく、内装とカードポケットの口を見てください。値段の差は、たいていそこに出ています。

10年後に手元に残っているかどうかは、革の値段ではなく、毎日どこに入れるかで決まります。

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